日本の二酸化炭素濃度の時系列推移(月次)

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日本国内に設けられた3つの観測所(大気環境観測所(大船渡市綾里)南鳥島気象観測所および与那国島特別地域気象観測所 )において測定されています二酸化炭素濃度の時系列推移を確認します。データ出所は気象庁です。

なお、与那国島での観測は2024年3月末で終了しています。

観測所の所在地

Figure 1

時系列データ

対象期間

観測所 データ開始 データ終了
1 綾里 1987年01月 2025年04月
2 南鳥島 1993年02月 2025年04月
3 与那国島 1997年01月 2024年03月
Table 1

チャート

Figure 2

テーブル

Table 2

線形回帰モデル

対象期間中において二酸化炭素濃度は1日当り、

  1. 綾里:0.0056ppm増加。
  2. 南鳥島:0.0059ppm増加。
  3. 与那国島:0.0061ppm増加。

綾里

Observations 459 (1 missing obs. deleted)
Dependent variable 月平均値(綾里)[ppm]
Type OLS linear regression
F(1,457) 8203.6469
0.9472
Adj. R² 0.9471
Est. S.E. t val. p
(Intercept) 312.2452 0.8531 366.0110 0.0000
Days 0.0056 0.0001 90.5740 0.0000
Standard errors: OLS
Table 3

南鳥島

Observations 385 (75 missing obs. deleted)
Dependent variable 月平均値(南鳥島)[ppm]
Type OLS linear regression
F(1,383) 15834.2793
0.9764
Adj. R² 0.9763
Est. S.E. t val. p
(Intercept) 305.4930 0.6887 443.5954 0.0000
Days 0.0059 0.0000 125.8343 0.0000
Standard errors: OLS
Table 4

与那国島

Observations 326 (134 missing obs. deleted)
Dependent variable 月平均値(与那国島)[ppm]
Type OLS linear regression
F(1,324) 9130.9498
0.9657
Adj. R² 0.9656
Est. S.E. t val. p
(Intercept) 303.5066 0.9676 313.6604 0.0000
Days 0.0061 0.0001 95.5560 0.0000
Standard errors: OLS
Table 5

月別中央値

  1. 3つの観測所においてはいずれも3月の中央値が最も高く、次いで4月、2月。
  2. 南鳥島と与那国島では9月が最も低く、綾里では7月が最も低い。

ボックスプロット

Figure 3

テーブル

  • 各観測所の二酸化炭素濃度月平均値の月別中央値(ppm)
綾里
1 Mar 389.5
2 Apr 389.4
3 Feb 388.6
4 May 388.5
5 Jan 387.7
6 Dec 387.4
7 Nov 386.0
8 Jun 383.3
9 Oct 382.5
10 Sep 378.2
11 Aug 376.6
12 Jul 376.4
(a)
南鳥島
1 Mar 391.1
2 Apr 390.5
3 May 390.4
4 Jan 390.1
5 Feb 389.8
6 Jun 388.8
7 Dec 387.8
8 Jul 386.3
9 Nov 385.9
10 Aug 385.4
11 Oct 384.7
12 Sep 384.5
(b)
与那国島
1 Mar 396.7
2 Apr 396.6
3 Feb 396.1
4 May 395.3
5 Dec 395.3
6 Jan 395.1
7 Jun 393.2
8 Nov 392.4
9 Jul 390.8
10 Oct 389.0
11 Aug 388.8
12 Sep 387.9
(c)
Table 6

用語の定義

  • ppmは大気中の分子100万個中にある対象物質の個数を表す単位です。
  • 大気中の温室効果ガス濃度は、濃度があらかじめわかっている標準ガスと比較して求めますが、標準ガスの濃度は使用期間中に変化することがあります。このため、観測に使用した標準ガス濃度の変化を確認した段階で、観測値にその値を反映させ確定値とします。速報値と確定値の濃度差は、通常二酸化炭素で0.1ppm以下、メタンで1ppb以下です。

    出典 : https://www.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/obs/co2_monthave_ryo.html

  • 気象庁の二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの観測では、広い水平空間を代表する平均的な濃度(バックグランドデータ)を求めています。観測所で観測される濃度値には、気象状況などにより生じる局地的で時間スケールの短い濃度変動が含まれているため、これらの条件のデータを選別し除去することにより、広い水平空間を代表する平均的な濃度と考えられるバックグランドデータを求めることができます。具体的には以下の手順によってバックグランドデータを求めます。
  1. 測器の点検、故障時などを除いた、全ての観測値を1時間平均して時別値を求めます。
  2. 時別値を求める際、算出に用いる観測値が本来得られるべき数の半数未満の場合は時別値を求めません。
  3. 時別値を求める際、算出に用いる観測値に一定以上のばらつきがある場合は時別値を求めません。
  4. 時別値を求める際、その前後の時別値との差が両方とも一定以上の値を超えた場合は時別値を求めません。
  5. 上記の手順により残った時別値を、バックグランドデータとします。
  6. 日別値は、バックグランドデータとして選択された時別値を平均します。
  7. 月別値は、バックグランドデータとして選択された時別値を平均します。
  8. 年平均濃度は、求められた月別値を平均します。

出典 : https://www.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/obs/month_calculation.html

最終更新

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[1] "2025-09-07 17:08:57 JST"

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